声に出して読みたくなるような文章を書きたいという話

憂「命の叫びが銀河に響く」

私このSS大好きなんですよね。まとめサイトのURLを貼ることに抵抗があったため旧2ちゃんねるの元URLを貼っていますので読む際はタイトルで検索して任意のまとめサイトを開いていただいたほうが恐らくいいでしょうけどもとにかく超オススメですからぜひ読んでみてください。

……今の文章も一切読点を使わないで書いてみたんですが、こうすると何だか超早口で一気に言っているような感じがしてちょっと面白かったりしません? こんなふうに大した中身がなくとも文体や勢いだけで面白い文章ってあると思うんですが、ああいうのをスラスラ書けるようになりたいという話を延々としていきます。

◆アナザーオブ「声に出して読みたい日本語」

★リズムの良さや美しさではない”面白さ”

声に出して読みたい日本語 [ 齋藤孝(教育学) ]

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感想(13件)

どうやら『声に出して読みたい日本語』という本があり、『平家物語』だとか『枕草子』だとかをひたすら紹介しているらしいですが(私はこの本を読んだことはありませんし存在を今初めて知りました)、別にそんな話は今回どうでもいいです。

そういうのはいわゆるinterestingな”面白さ”だと思うんですが、そうではないタイプの、もっとfunnyなほうの”面白さ”の意味で、思わず読んでみたくなってしまう「声に出して読みたい日本語」を追求していきたいと思います。

 

★面白おかしく読むことが前提なら何でも面白い

これはひどい、声に出して読みたい日本語 – NAVER まとめ

ここでまとめられているものは、もうハッシュタグつけて任意の単語を書けば面白いみたいなレベルになっています。「メキシコ」とかもう何でもないただの固有名詞なのに、ここに並べられるとなぜか面白い気がしてきてしまう。あとは今回除外するとすでに宣言しましたが、いわゆる「墾田永年私財法」的な4・4・5の王道リズムのものも混じっていますね。「どっこいおむすび柑橘君」とか。

そもそも「NAVERまとめ」という文字列ですら読み方次第で面白くなるんですが、こういうタイプは面白おかしく読み上げるということが大前提として存在するので、文章として面白いというよりは読者の想像力に依存する部分が大きいかなと感じます。そうではないんですよね。

ところで、これ全部上手いこと読み上げた動画とか作ったら絶対伸びると思いますよ。それこそ「この日本を変えたいその一心でやってきた」という趣旨のことを言っているだけの某野々村だってアレだけおもちゃにされたんですから。どうでしょう、誰かやりません? ていうか自分でやりたい。やろう。そのうち。

 

◆面白い文章の条件を考える

★無駄な情報がわざわざくっついていると面白い?

『ポケモンガオーレ』とかいう無垢な小学生から金を巻き上げる悪質なゲームに憤慨している。

じゃあ私がこれだと思ったものはたとえば何なのかというと、私の高校同期が以前ツイートしていたこのブログ記事。これは面白かったです。以下分析。冒頭からだいぶぶっ飛んでますね。

結論から言うと、ポケモンガオーレというゲームに憤慨している。読み方はフンガイ、ローマ字表記するとFUNN-GAIである。

なぜローマ字表記にしたというツッコミを誘発してくれます。いや正直しょうもないし必要もないんですが、しょうもない・必要ないからこそ面白いともいえます。

読み進めていくと、このようにちょいちょい不要な情報が挟まっていることに気付きます。たとえばこの文章。

事の発端は、8月某日、とある理由から遠い親戚に当たる小学一年生の男の子の面倒をみないといけなくなったこと。

朝から夕方まで相手をしないといけない。時給は発生しない。

「時給は発生しない」とかまあ要らないじゃないですか。そりゃ発生しないだろ親戚の小学生の面倒見るくらいで、って話ですよ。ところがこれがあるから何となく面白い。

 

★一般認識と文章が食い違うと面白い?

ダンジョンを進めていくと稀に “ホウオウ” が現れ、運が良ければそれを捕まえることが出来る。皆さんは、ホウオウという動物を、ご存知だろうか?

ポケモンをある程度知っている人間ならば、ホウオウがポケモンの一種であり、かつ正確な定義はしていないまでもポケモンが何となく既存の”動物”という概念とは異なるものであるということは分かっているかと思います。

ところがここでは「皆さんは、ホウオウという動物を、ご存知だろうか?」と投げかけてきています。この既存の認識と提示された文章との違和に面白さを感じるというのはひとつあると思いますね。

 

★情報・装飾が過剰だと面白い?

ホウオウとは、ポケモンの世界で最上位に君臨する、すんんんごい鳥だ。ポケモンの世界をビジネスの世界だとするとザッカーバーグに相当する。ボクシングで言えばパッキャオ。車で言うとベンツ。都市で言うとパリ。

たとえとか1つあれば十分だと思うんですが、なぜか4つも並べたうえで、この後ホウオウを「ザッカーバーグでパッキャオなベンツinパリ」とまとめたりもしています。さっきの無駄な情報の付加とは少し違ったこの情報の過剰さというのも、面白さの要因になっていそうです。

祈るようにゲーム機を見つめる少年の目からは、今日ホウオウを手に入れてスクールカーストをひっくり返し、一夜にしてスターダムにのし上がらんとする決意が見てとれた。

「スクールカーストをひっくり返し、一夜にしてスターダムにのし上がらんとする決意」まで書かなくともいいのに過剰に装飾してみる。こういうところも笑いを誘っています。これはそれこそ冒頭に挙げたSSで全編にわたって使われている手法です。

創世記以降最大にして最悪で脳内でその名前出すのも嫌になるくらいのトンでも野郎は

ユダだとかA級戦犯だとか超凶悪殺人鬼とかそんなんじゃなくって

まるで砂場のお城でも崩すみたいにへらへら笑いながら世界の調律ブチ壊してる名前さえ無い

ネームレス・ワン

いや ワンじゃないか 沢山いるんだ 煎餅布団のダニの様に

要約すると「クズがたくさんいる」みたいな話を表現でこれだけ引き伸ばしているんですから、もうそれだけでスゴい。『天元突破グレンラガン』がこういう作品なのかと思ったら別にそういうわけでもないらしいですね。

 

★単語同士がミスマッチだと面白い?

これはどちらかというとタイトルに表れるタイプの面白さ。たとえばこれ。

戦闘力の高いパスタ一覧、傾向と対策

「戦闘力」と「パスタ」、「パスタ」と「傾向と対策」がそれぞれミスマッチしています。何だよパスタの戦闘力って、何だよパスタの傾向と対策って。本文ではパスタがモンスター化してましたね。

あとはこんなの。

成功者のみが知っているたった1つの真実、5選

ズルいじゃんこれもう、「たった1つの真実、5選」ってお前それ1つじゃねぇじゃんってなるじゃん。しかも本文で追い討ちをかけてくる始末。

まずもってこの、「たった1つ」しかない事柄を「5つ」発表します、という独特な世界観が素晴らしい。とても近未来的だ。

世界観の問題じゃねぇだろっていう。とにかく、こうした単語のミスマッチから生まれる面白さもありそうです。

 

他にも基本的な起承転結とかときどき句点を抜いてみるとかやたら改行を挟んでみるとかいろいろありますけど、単純な文章表現の域だとこんなところでしょうか。ちなみに過剰改行はスクロールがめんどいから個人的にあんまり好きじゃない。

 

◆コツも分かったところで実践してみた

何もネタがないとちょっと難しいので、このサイトを使いました。去年の春くらいは結構やってたんだけど最近全然やってない。

即興小説トレーニング

簡単に説明すると、テキトーなお題を投げるからそれに沿ったり沿わなかったりしつつ制限時間内にそれらしい文章を完成させてねというサイト。一応「小説」のトレーニングサイトだけども、使い方は別に自由ですから。

で、こんなのが完成しました。

リア充の爆発によるテロ撲滅のためのお願い – 即興小説トレーニング

お題は「混沌の映画館」でした。冒頭のSS的にはできるけども、単語のミスマッチや既存認識との差を即興で出していくのはなかなか難しいですね。今後の課題です。

 

皆さんもぜひやってみてください。

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